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小松めぐみ/KOMATSU Megumi
日々是好食

東京都出身。料理研究家 大原照子の本に影響されて料理に目覚め、10代半ばに独学でフランス料理を学ぶ。立教大学社会学部卒業後、出版社勤務後を経てフリーランスに。2012年3月から9月まで「料理王国」副編集長を務め、10月より再びフリーランスとして活動予定。遠州流茶道準師範。



数年ぶりに「トゥールダルジャン」

 

 

「トゥールダルジャンに行って参りました」。と本ブログにアップしようと思いつつ、1カ月半も経ってしまいました(汗)。

下書きしては書き換え、昔の資料を探しては諦め(資料はトランクルームに預けてあることが判明しました)、ということを繰り返していたのですが、どうもトゥールダルジャンに対する思い入れが強過ぎるようです。だからといってこのままだと永遠にアップできないので、割り切って簡略に書かせていただきます。

「トゥールダルジャン」はフランスから空輸で取り寄せる幼鴨の料理が有名なグランメゾンです。ホテルニューオータニ メインフロアの廊下に面したエントランスから中に入ると、青い絨毯を敷き詰めた廊下が奥へと続き、途中でお店の方が静々と出迎えてくれます。

そしてさらに廊下を奥へ進むと大きな大きな生花のフラワーアレンジメントが現れ、さらに奥のだまし絵が飾られた空間には、ロシアとプロイセンの皇帝が会食をした時の銀食器が展示されていたりして、本店の歴史を感じさせます。私が初めてここに足を踏み入れたのは20代半ばだったので、この空間の豪華さに圧倒されたものです。

この日は特に記念日でも何でもなかったのですが、たまたま食べるのが好きな人たちと集まっていた時に「トゥールダルジャン」の話題になり、「なかなか一緒に行く相手が見つからないから行きましょう!」ということで意気投合したのでした。

まず最初のアミューズは、こちら。レンゲ状の器にのっているのはコンソメのジュレにウイキョウのクリームをのせたアミューズで、コンソメのジュレには正真正銘、本物のコンソメの旨味が詰まっています。シャンパンと共にいただきました。銘柄はボランジェでしたっけ…。

2品目は「根菜と柔らかなウフ モレと滑らかなトリュフソース」です。卵とトリュフは黄金コンビ。半熟卵のやわらかさも、絵のような盛りつけも、すべてカチッと計算されていて、それが「トゥーランダルジャン」らしいと思います。

お料理や盛りつけだけでなく、サービスも軍隊のように正確です。それでいて優雅なのが素晴らしい。メートル・ド・テルとコミ・ド・ランが2人1組でサービスにあたるお店は、東京広しといえども数えるほどしかありません。

 

 

続いて2品目の前菜は「フォアグラのバロティーヌと色彩豊かな野菜」。フォワグラと濃厚なジュレの味わいが、クラシックな趣の一皿でした。ワインはたしか、グラスでムルソーをいただいておりました。

「トゥールダルジャン」ではグラスワインをお願いすると、普通にムルソークラスのものが出てきます。ソムリエさんにお任せすれば間違いがないので、特に希望を言ったりもしませんから、何を飲んだかボンヤリとしか覚えていなかったりします。

 

魚料理は「舌平目のグルノーブル風 トゥールネル河岸」。これもクラシックなお料理です。グルーノブルはスキー場で有名なフランス南東部のアルプスの麓の街ですが、舌平目のグルノーブル風というのは、舌平目のムニエルに酸味の効いたレモンの 角切りとケーパーとクルトンを合わせたものです。お皿との比率を見ると、お魚が小さく見えますが、実は舌平目は2段重ねになっており、食べ応えがあります。

 

そしてこちらがメインの鴨。「幼鴨のロースト“マルコポーロ”リンゴのグラタン添え」です。こちらの名物の幼鴨のローストには、季節によってさまざまなソースが用意されているのですが、この“マルコポーロ”は通年変わらずにある定番ソースで、黒、白、ピンク、グリーンの4種の胡椒を使ったソースのことです。大航海時代に胡椒を発見したマルコポーロの名前にちなんでいます。鴨はシャラン産、ビュルゴー家が育てた鴨です。この鴨の美味しいこと! 真鴨の野生味とは違ったエレガントな旨味が、柔らかな身にたっぷりとあふれています。ちなみにトゥールダルジャンの鴨にはナンバリングがされていることも有名ですが、この日の鴨は「215,283」羽目でした。東京店が1984年秋にオープンした際は、昭和天皇がパリ本店にご来訪された際の栄光の「53,211」羽目の次の鴨番号からスタートしたそうですから、28年間で1,602,071羽の鴨が消費されたことになりますね。

デザートは「タルト仕立てのモンブラン」。メレンゲひとつをとっても完璧な美味しさで、うっとりしてしまいます。

今度はいつ、誰と一緒に行けることでしょう…。

 

東京都千代田区紀尾井町4-1

TEL:03-3265-1111

http://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/tour/


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